夜の越中八尾(やつお)、街灯がぱっと消えた瞬間、ぼんぼりの灯りだけが浮かび上がる——胡弓の哀愁ある音色が流れ、編笠を深くかぶった踊り手が、まるで影絵のように通りを舞う。おわら風の盆は、日本の祭りの中でもひときわ静かで幻想的な3日間。「賑やかな夏祭り」のイメージとはまったく違う世界が、ここにあります。
おわら風の盆は英語で「Owara Kaze no Bon Festival」
おわら風の盆は英語で Owara Kaze no Bon Festival または Wind Festival of Owara と言います(“kaze no bon”=「風の盆」、風を鎮める祭の意味)。
“How do you say Owara Kaze no Bon in English?” “It’s the Wind Festival of Owara — a 300-year-old dance festival held in Toyama to calm the autumn winds.”
(「おわら風の盆って英語で何て言うの?」「Wind Festival of Owara、秋の風を鎮める富山の300年続く踊り祭りです」)
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「風を鎮める」300年の風祭り
この祭りの起源は、二百十日(立春から210日目)の頃に農作物を襲う暴風から、稲を守るため。
“It started over 300 years ago as a ritual to calm the strong winds that could destroy the rice fields in early autumn.”
(300年以上前、初秋に稲を倒す強風を鎮めるための儀式として始まりました。)
「五穀豊穣を願う祈り」が踊りになっている——というのが日本の祭りらしいですよね。盆踊り系の祭りとは少し違う、「**風祭り**」という独自系譜です。
編笠で顔を隠して踊る理由
おわら最大の特徴は、踊り手が 深い編笠 で顔をすっぽり隠していること。素顔を見せないことで、踊りの形そのものが際立ちます。
“Dancers wear deep straw hats that completely hide their faces, so the beauty of the dance itself takes center stage.”
(踊り手は深い編笠で顔を完全に隠します。踊りの形そのものを際立たせるためです。)
男踊りは農作業を模した勇壮な「**かかし踊り**」、女踊りは四季の情景を表す優雅な「**四季踊り**」。同じ踊り手なのに、男女でまったく違う世界観を見せてくれます。
胡弓の音色と、灯りを落とした夜の演出
音色を決めるのが 胡弓(こきゅう)。三味線・太鼓に加えて、この胡弓の哀愁ある旋律が、おわらを「日本一切ない祭り」と呼ばせています。
“The melancholic sound of the ‘kokyu’ (a bowed string instrument) gives Owara its uniquely sad, beautiful atmosphere.”
(胡弓(弓で弾く弦楽器)の哀愁ある音色が、おわら独特の切なく美しい雰囲気を作っています。)
夜になると街灯が消され、軒先のぼんぼりの灯りだけになるのも演出のひとつ。20万人以上が訪れますが、観客は声を出さずに見守るのが暗黙のマナーです。
9月1日〜3日、3日間だけの幻想
開催は 9月1日〜3日 の3日間。夏祭りシーズンが終わった頃に、ひっそりと始まる「秋の入り口の祭り」です。
“It’s held for just three nights, from September 1st to 3rd — right when summer ends and autumn begins.”
(9月1日〜3日のたった3日間。夏が終わり秋が始まる、そのタイミングで開催されます。)
夏の賑やかな祭りに少し疲れた頃、静かな祭りに身を浸す——大人になってから良さがわかる、そんな祭りです。




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