初対面のT先生でした。自己紹介のあと、何かの流れでバナナの話になりました。そこから25分、一度も教材を開いていません。
フィリピンにはバナナの品種がいくつもあるそうです。サバ、ラカタン、キャベンディッシュ、ラトゥンダン、セニョリータ。種類ごとに食べ方が違って、緑のまま収穫して揚げたり、チップスにしたり、トゥロンというお菓子にしたりする。生のまま食べるものばかりではない、という話でした。
知らないことばかりだったので、質問が止まりませんでした。ただ、録音を聞き返すと、その質問の形が五回とも崩れていました。以下、言った通りに並べます。
①「緑のうちに切るのか、黄色くなってから切るのか」が一文に入らなかった
調理用のバナナをいつ収穫するのか知りたくて、こう聞きました。
“Do you cut the banana or after turning yellow you cut green or yellow? Which?”
自分で選択肢を二つ出したあと、最後に Which? と付け足しています。整えるとこうなります。
“Do you harvest and peel the bananas while they’re still green, or do you wait until they turn yellow?”
- 「収穫する」は
harvest。cutだと切り分ける話になります - 「まだ緑のうちに」は
while they’re still green - 「黄色く熟すまで待つ」は
wait until they turn yellow A, or B?の形にすれば、最後にWhich?を付ける必要がありません
②「手で剥くんですか」が、途中で止まった
“When peeling the banana skin it had… how do you cut? By hand?”
it had のあたりで言葉を探しています。聞きたかったのは、青いバナナは手で剥けるのかどうかでした。
“Is it easy to peel by hand, or do you need a knife when it’s green?”
「手で剥く」は peel by hand、「包丁が必要」は need a knife。この二つを対にして並べると、一息で聞けます。
③「日本でも値段が上がっている」が、現状だけの話になった
日本のバナナ事情を聞かれた場面です。
“Not really, but pricing is going up these days, because of inflation.”
間違ってはいません。ただ、昔との比較が抜けているので、物価高の感じが伝わりきりません。
“Bananas used to be very cheap in Japan, but prices have been going up recently due to inflation.”
used to be very cheap を頭に足すだけで、「安いものだったのに」という話になります。pricing は値付けのことなので、値段そのものは prices です。
④「味は品種で違うんですか」が、三語で終わった
“Is it the difference type of taste?”
いちばん短く崩れたのがこれでした。difference(名詞)を形容詞の位置に置いています。
“How do the flavors and textures differ among those varieties?”
- 「品種」は
varieties。食べ物の話ではtypeより正確です - 「味と食感」は
flavors and texturesとセットで言います differは動詞。differenceは名詞です
⑤「生では食べないんですね」が、逆の意味になりかけた
“We are not eating it alone during the dessert.”
during the dessert だと「デザートの最中に」になります。言いたかったのは、調理しておやつとして出すんですね、という確認でした。
“So you usually cook and serve them as a dessert or a sweet snack, rather than eating them raw.”
「生で食べる」は eat them raw。これと rather than で対比させると、確認の形になります。
五つに共通していたこと
✕ Do you cut the banana or after turning yellow you cut green or yellow? Which?
◯ Do you harvest and peel the bananas while they’re still green, or do you wait until they turn yellow?
✕ When peeling the banana skin it had… how do you cut? By hand?
◯ Is it easy to peel by hand, or do you need a knife when it’s green?
✕ Is it the difference type of taste?
◯ How do the flavors and textures differ among those varieties?
五つのうち三つが疑問文でした。聞きたいことが先に出て、文頭の形を決める前に口が動いています。Do you ~? なのか Is it ~? なのか How do ~? なのか。これを決めてから話し始めれば、三つとも崩れませんでした。
これまでの記録では、前回が基礎文法の混同、その前が言い慣れていない言い方探しでした。今回は疑問文の骨格です。詰まる場所が毎回違うので、ひとつずつ片付けていくしかなさそうです。
食べ物の話で使える言い方
harvest— 収穫するwhile they’re still green— まだ青いうちにpeel by hand— 手で剥くvarieties— 品種flavors and textures— 味と食感eat them raw— 生で食べるserve as a sweet snack— おやつとして出すused to be very cheap— 昔はとても安かった
リアクションを用意しておく
今回はT先生が写真まで見せて説明してくれました。そういうとき Oh! と Cute! しか出てこなかったので、次はこれを使います。
“That looks delicious! I’d love to try it someday.”
“I had no idea there were so many varieties of bananas in the Philippines.”
I had no idea ~ は「まったく知りませんでした」。相手が話したくなる返しです。
次のレッスンで試すこと
日本人はどんなバナナを好むのか、と聞かれたら、三文で止めます。
“In Japan, people definitely prefer fully ripe, sweet bananas.”
“Because we usually eat them raw for breakfast or as a quick snack.”
“Cavendish is by far the most popular variety sold in our supermarkets.”
結論、理由、具体例。三文目に品種名を入れると、相手が「それはこっちだとこうだ」と返してくれます。
教材に入れないまま終わった回は、これで三度目です。ただ今回は、知らない話を聞き出す側に回れていました。質問の形さえ整えば、この時間がそのまま使えるようになります。
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