表参道のカフェで「注文から20分かかります」と言われて、最初は「え、何作ってるの?」と少しイラっとした記憶があります。でも目の前に運ばれてきたのは 厚さ3cmの白い円柱 が3段重ねになった謎の塊で、フォークを刺した瞬間 ぷるんと揺れた。これが スフレパンケーキ との最初の出会いでした。いまや ニューヨークでもパリでも「Japanese pancake」として行列ができる ジャンルです。
スフレパンケーキは英語で「Japanese soufflé pancakes」
英語ではそのまま Japanese soufflé pancakes または fluffy Japanese pancakes。海外のカフェメニューにも “Japanese” が必ずついていて、もはや 「日本料理ジャンルのひとつ」 として認識されているのが面白いところです。
“Japanese soufflé pancakes are thick, jiggly, and take about twenty minutes to cook — the chef whips the egg whites separately and folds them in, like a soufflé.”
(日本のスフレパンケーキは分厚くて揺れる食感で、焼くのに約20分かかります。スフレと同じで、卵白を別に泡立てて混ぜ込むんです。)
なぜ「20分」も待たされるのか
ふつうのアメリカンパンケーキは、片面 2分くらいでひっくり返してすぐ完成。なのにスフレパンケーキは 15〜20分。理由はシンプルで、「メレンゲのまま、生地を高温で焼くと潰れるから」。低温の鉄板でじっくり熱を入れて、空気の層を残したまま固める——いわば 「焼くスフレ」 なんです。
店によっては セルクル(金属の輪)で囲って高さを出す 方法、蓋をして蒸し焼きにする 方法など製法はバラバラ。同じ「スフレパンケーキ」でも、店によって 食感がだいぶ違う のはそのせいです。
起源はオーストラリア——でも「進化」は日本
意外なんですが、いまのブームの火付け役は オーストラリア・シドニーのカフェ「bills(ビルズ)」。2008年に 七里ヶ浜と表参道に上陸 したリコッタパンケーキが、日本人女性たちの「ふわふわ感」探求心に火をつけました。
そこから日本独自に進化したのが 「幸せのパンケーキ」「FLIPPER’S」「GRAM」 あたり。厚みと揺れを極限まで追求 したのが日本流で、いま海外で 「Japanese soufflé pancakes」 と呼ばれているのはこの 2010年代の東京カフェ系 のスタイルです。
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「揺れる」食感の正体——空気の塊
あの食感を一言で言うと、「マシュマロとシフォンケーキの中間」。スフレ生地の中身は 体積の半分以上が空気 で、噛むというより 「口の中で消える」 感覚に近いです。最近のSNSでは、スプーンを上から落として 「ぷるんと揺れる動画」 を撮るのが定番の楽しみ方になっています。
“They almost melt in your mouth — it’s more like eating a cloud than a pancake. People love filming them jiggle on Instagram.”
(口の中でほとんど溶けます。パンケーキというより雲を食べてる感覚で、Instagramでは揺れる動画を撮るのが定番です。)
海外で「Japanese pancake」として大流行中
面白いのは、ここ数年で ニューヨーク・パリ・上海・ロンドン に 「Japanese soufflé pancakes」 専門店が続々オープンしていること。20分待つ手間を 「日本らしいクラフトマンシップ」 と評価する記事もあり、寿司やラーメンに続く 日本食の輸出ジャンル として静かに定着しつつあります。




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